特 徴
手から肘までの疾患を治療しています。
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内丸メディカルセンター
火曜日に外来診療を行っています。月曜日と火曜日に局所麻酔での日帰り手術を行っています。
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矢巾 岩手医科大学附属病院
入院が必要な患者さんの手術を水曜日に行っています。
院外活動では高校野球のメディカルサポートを行っています。
主な疾患・治療法について
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手
手関節尺側部痛 TFCC損傷:鏡視下TFCC縫合術、尺骨短縮術
母指CM関節症:関節形成術、関節固定術
手根管症候群:鏡視下手根管開放術
ドケルバン病、ばね指:腱鞘切開術
野球肘; 靭帯損傷:靭帯再建(トミージョン手術) 離断性骨軟骨炎:鏡視下デブリドマン、軟骨移植術
テニス肘(上腕骨外上顆炎):デブリドマン
肘部管症候群:神経剥離術
肘滑膜炎:鏡視下滑膜切除
関節リウマチ、変形性肘関節症:人工肘関節置換術
外傷:骨折治療はもちろんですが手部に特徴的な外傷である腱損傷や神経損傷も岩手県各地から紹介をうけて治療しています。 -
病気の説明
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手根管症候群
手根管とは手首にある骨と靭帯に囲まれた管で、腱と神経が入っています。そこで神経の圧迫が起こる病気が手根管症候群です。手根管症候群では親指から薬指までの痺れや痛みがでます。この痺れは就寝時の明け方や手を使っているときにでやすいです。親指の付け根にある丸い膨らみのある筋肉が麻痺して、親指でつまむ動作が難しくなります。この病気が進行すると箸を使う、ボタンを掛けるという動作がやりにくくなります。治療はビタミンB12の内服、手首を固定する装具、ステロイドという薬を手根管に注射などがあります。それでも効果がない場合は手術が必要となります。当院で行っている手根管外鏡視下手根管開放術は鏡視下手術の中でも安全な方法であり、200以上行っていますが神経損傷など大きな合併症はありません。
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肘部管症候群
肘の内側にある肘部管という場所で神経が圧迫されます。小指、薬指のしびれに加え、手の握力が落ちます。保存治療は手根管と同じくビタミンB12の内服やステロイドの注射などがありますが、あまり効果が無く手術が必要になることが多いです。
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ドケルバン病
手首の母指側に痛みや腫れが生じます。母指の動きに関係する腱が走行する部位での腱鞘炎です。母指を酷使する人や、女性の場合は妊娠や出産を機に起こることがあります。治療はまず局所安静、腱鞘内注射などの保存加療を行います。保存加療で治らない場合は手術を行うこともあります。
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母指CM関節症
母指CM関節の軟骨摩耗により変形や痛みが生じます。ドケルバン病と痛みの部位が似ていますが、診察やレントゲン検査で診断します。治療は投薬や装具、関節内注射などの保存加療を行います。保存加療で症状がよくならない場合は手術を行うこともあります。当科で主に行っている手術は関節固定術と関節形成術で、いずれの方法でも除痛が期待できます。関節固定術の場合は母指CM関節の可動がなくなりますが、関節形成術の場合よりも関節が安定するため、パワーを必要とする重労働者などに選択されます。関節形成術は大菱形骨を切除して靭帯を再建する手術で、母指CM関節の可動はある程度保たれます。どちらの手術方法を選択するかは変形の程度や骨の状態、年齢、生活様式、仕事内容などを考慮して決定します。
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テニス肘
正式名称は上腕骨外上顆炎といいます。スポーツをしない、一般の成人以後の方にも多く発症します。手に力を入れたり、タオルや雑巾を絞るときに肘の外側が痛くなるのが特徴です。使いすぎや加齢によって筋の付着部が壊れておこる病気です。重労働後や繰り返しの力で発症したり、滑膜というひだが関節の中で挟まったりすることで痛みが出ます。この病気ではレントゲンに異常は出ません。MRIという機械では炎症部位や関節の中にひだが解る事があります。この病気の本体は筋肉の付着部の炎症なのでストレッチが効果あります。やり方は手の平を下にして肘を伸ばして手を前方に出します。反対側の手で手のひら側に手首を曲げます。これと逆に、手首を手の甲側に曲げることストレッチも20秒ぐらい行います。またエルボーバンド、というものがスポーツ用品店やインターネット上で売っています。痛いところより末梢にバンドを巻き、筋肉を圧迫して付着部の負担を軽減させることができます。難治性の場合に手術が行われます。変性した筋肉の付着部を削る手術や、関節の中のひだをけずる手術などがあります。しかし、やっかいな病気で、痛みがまったくなくなる患者さんは少ないのが現状です。
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